イチオクノホシ
数時間後に私たちはロサンゼルスにいる。

その現実があまりにもすごいことで、私とエリにはまだわからなかった。


いつか見たいといっていたハリウッドサイン。

あの写真を何度見たことだろう。


芸能人がよくLAでレコーディングしましたとか撮影しましたとか、よく聞くけど聞くたびにLAへの憧れは強くなった。


エリと電光掲示板を見ながら手をつなぐ。

私たちにとって大きな一歩になることを言葉にしなくてもわかっていた。


自分たちの“夢”。


“映画”


これが初めての一歩なんだ。


パスポートを固くにぎりしめた。


「じゃあ、いってきます。」


「気をつけてね。着いたら連絡しなさいね。」


「ありがとう、ママ。最高の思い出つくってくる!!!!」


「いってらっしゃい!!」


「いってきまぁす!!!!」


私たちは声を合わせた。


そして出国。―



エリと私を乗せた飛行機は、LAへ向けて大きく羽ばたいた。
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