キミノテノヒラノウエ。
美味しい贅沢なイタリアンはシェアして食べ、

デザートはこれからケーキを食べる予定だったからパスをして、コーヒーを飲んだ。

「ところで、チビスケ。卒業の成果を俺に持ってこなかったの?」と聞かれ、

私はハッとする。
そうだよね。
どれくらい上達してるか、見せないと。

「急に今日会うって決まったんだもん。次に会う時作ってくるよ。」と笑うと、

「ふうん。今からもう少し時間あるよな。
帰りは車で送るから、
海沿いのパンケーキ食いに行く?」と聞くので

「行く!」と言うと、

「おまえさあ、
俺以外のオトコの食い物の誘いに簡単につられるなよ。」と呆れた声を出すので、

「知らない人には付いていかないもん。」と言うと、

「知ってる男もダメだろ。」と言いながら、立ち上がって私の手を引いて歩き出した。

「…誰ならいいのよ…」と呟くと

「ばーか」と可笑しそうに笑った。

何がおかしいんだろう。

今日の薫ちゃんは機嫌が良いみたいだ。



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