キミノテノヒラノウエ。
次に私が目を開くと、

薫ちゃんの腕枕で寝ていた。

いや、薫ちゃんのベットで私が寝ていた。が正しい?

私が飛び起きると、薫ちゃんも目を覚ました。

…パジャマを着ている。いつの間に着替えたんだろう…

「頭は痛くないか?
帰ってから、ぐったりしちまったから、
ちょっと心配でここに寝せてた。」と私の顔を覗く。

「…ガンガンする。」と顔をしかめて、頭を押さえると、

「水飲んで。…あとは頭痛薬か。」とペットボトルの水を渡してくれ、
ベットを出て、薬を持ってきて、私の掌に薬を乗せてくれる。

「昨日は飲みすぎだな。
帰って気持ち悪そうにしてたから、トイレで吐かせて、着替えさせたよ。
まあ、下着姿は見たけど、しょうがないだろ。
襲わなかったんだから、ありがたいと思え。」とベットの横に座った。


「…すみません。ご迷惑おかけしました。」と小さな声で言うと、

「まあ、いいよ。酔っ払っても。俺がいる時なら…。
今日休みだろ。ここでゆっくり寝てな。
俺は仕事に行ってくる。」

と私の頭を撫でてから、
再びベットに寝かせて、バスルームに向かっていく。


「…はい。」と私が更に小さな声で言うと、薫ちゃんは振り向き、


「ところで、昨日、俺とキスしたの覚えてる?」と聞かれ、

私が顔を真っ赤にすると、

「覚えてるってことだな。
…じゃ、これから俺はウォーミングアップしてから、本気出させてもらおうかな。」

と喉をくっとならして、唇の端をあげ、バスルームの中に消えて行った。






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