キミノテノヒラノウエ。
私が薫ちゃんを振り返ると、

「てまり、エプロンつけたまま。」とクスッと薫ちゃんは笑う。

リスのイラストが付いたエプロンを付けてる。

…早く言ってよ。
ちっとも気付いてなかったよ。
これでタクシーにも乗ってたんだ。とちょっと凹む。

「マカロン焼いてたから…」と顔を赤くしながらエプロンを取ると、

「お菓子焼くんだ。」と桜井さんに聞かれ、

あっ、持って来たんだった。と思い出して、

紙袋からタッパを取り出し、

「あ、あの、一応、パティシエを目指してるんです。」とタッパを開けると、

「おお。本格的。」
と野村さんと桜井さんが綺麗なオレンジ色に焼けたマンゴーのマカロンを食べて、

「すっごく美味しいじゃん。これって、マンゴーに酸味はなに?」と野村さん。

「ライムです。仕事先で教えてもらったので…。」と薫ちゃんにもタッパを差し出すと、

「俺は絶食。また、作って。」と私に微笑む。


「やっぱりありえなーい。笑顔がキモい。」

と桜井先生が言うと
松田先生も野村先生もまた笑って、

「俺たちが美味しくいただきます。
また、作って来てね。てまりちゃん。」と言って、タッパを受け取り3人も部屋を出て行った。
< 55 / 96 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop