夫の優しさ、夫の強さ
【裏切り】

この頃、正志さんの様子がおかしい。

たまに上の空でいて、話しかけても、答えなかったり、考え込んだりしていた。

仕事のことで大変なんだと、私は勝手に思っていた。


突然やって来たその日は、日曜日だった。

朝ごはんを食べていると、正志さんの携帯が鳴り、隣の部屋にいって話し始めた。

と言っても、狭いから、なんとなく話は、聞こえてくる。

私は、てっきり仕事の連絡だと思い、会社に行くのかなと聞いていた。

しかし、仕事ではないようで、端々で聞こえてくるのは、どうやら興奮した女性の声。

しかも、正志さんを責めるような様子で、正志さんは、なだめるような調子だ。

話が終わった。

正志さんは、観念したかのように、

「紗耶香、話がある。」

と言ってきた。

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