イケメンなんか大嫌い
「いや、あいつさぁ……昔っから未麻を見る目といい、態度といいなんか……特にオレが6年くらいの頃、危機感持ってたね」
「……6年って、その頃うちら3年なんだけど」
「だから、中学上がって見掛ける機会なくなったってだけでさ。その頃既に執着を感じてたわけよ」
「……その割に一言も何の注意もなかったよね? 初耳ですけど」
段々と眉間が寄って来たわたしに、つり目が飄々と言ってのける。
「言うかよそんなん、めんどくせぇ」
見兼ねた柚乃さんが、助け舟を出してくれた。
「ねぇ、もうちょっとオブラートに包んであげたら……」
しかし彼女のか細い声は右から左へと流され、生ビールを煽るお兄の姿に若干顔を青くする。
駄目だ、既に出来上がりつつある。
「で? 今頃、実家まで来てって。お前、待ち伏せとかされたんじゃねぇの?」
「……あー……うーん……」
否定出来ないところがまた厄介だ。
顔を逸らし、何でもないふりで炊き込みご飯を頬張る。
「あいつ、もっと良い女いくらでもいるだろ……何だろうな、刷り込み的なこと?」
「……」
刷り込みって、ひよこじゃないんだから。
恨みがましく横目で見遣れば、まじまじと不躾な視線が眺め回して来たかと思うと、にやりと口の端を歪めた。