イケメンなんか大嫌い

画面の中と同じ建物が、目の前に現れた。
部屋がわからないが、幸い公式サイトがヒットして丁寧に全ての部屋の間取りまで書いてある。
2DKが4戸と1Kが2戸……しかし入居中の表示が出ているのは1Kでは202号室のみだ。

2階の中央の部屋を見上げると、灯りは点いていない。
周囲を見渡し誰も居ないことを確認してから、住人であるかのような平静を装い階段を登った。


呼び鈴を鳴らしてみたが、やはり誰も出て来ない。
実際にこの部屋なのか確信は持てなかったが、可能性としては高いだろう。

確かにストーカーめいている……溜息を漏らしながらしゃがみ込んで、壁にもたれた。
こうなることを予想して、もっと防寒対策をして来るんだったと考える。
手に息を吐きかけ、自業自得だから仕方ないと瞼を伏せた。


何分くらい経ったのだろう。
遠くから聞こえるコツコツと踵を鳴らす音が次第にボリュームを上げ、膝に埋めていた顔を上げた。
慌てて時刻を確認すると、23時半を過ぎている。

階段の方を振り返りながら、鼓動の音も大きく高ぶり、震えそうな程だった。

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