イケメンなんか大嫌い

「……でも、今は……未麻だけだから。未麻と付き合えるのに、他の女見るわけないだろ」

真剣な瞳が、わたしの両手を握り真っ直ぐに見上げた。
その切なそうな熱っぽい眼差しが刺さって、身体の奥が痺れそうに疼く。

「……ずっと、未麻のこと忘れられなかったのに」

思い掛けない台詞と共に抱き締められて、胸に熱い昂ぶりを覚えた。

「……嘘ぉ……ほんとにぃ……?」

更にぼろぼろと涙が溢れた時、わたしを抱く腕に力が篭もり、視界が揺れた。
背中に柔らかなスプリングの感触を受け、押し倒されたのだと気付く。

「……やべぇ……素直な未麻、可愛過ぎる……」

頭上には、真っ赤に火照らせた顔を片手で覆いながら、視線を外しつつもわたしに跨る人がいた。

「……最初があんなだったから……壊れないように大事にしたくなって……我慢してたのに、何でそんな誘って来んの?」
「えっ……」

遠慮がちに頬に触れる手と、揺れる瞳に心を射抜かれたようだった。
綺麗な顔がゆっくりと降りて来て、目を細め瞼を閉じた。

「ん」

途端、キスの嵐が降って来る。
わたしの髪を掻き乱す、耳を擽るその指に、ぞくりと身体を震わせた。
艶かしく舌を絡め合いながら、俊弥の感触を確かめた。

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