イケメンなんか大嫌い
すると眉根を寄せて顔を上げ、凄い剣幕で捲し立てられた。
「……違う部屋だったらどうすんだよ。危ないだろ! 変な奴がいるかもしれないし!」
「……えっ……怒ってるとこ、そこなの」
拍子抜けして目をぱちくりさせながら、こんなに感情的になる俊弥を見たのはいつぶりだろうと頭の中を巡らせたが、思い出せなかった。
「……今さらそんなことで引くか。もう無茶はやめろよ……」
肩を引き寄せる大きな手に、高鳴り始めた鼓動の音を感じ、顔が熱かった。
手元のコーヒーを眺め、この幸せな時間に浸っていると、昔からずっと心に留まっていた疑問が、零れた。
「……わたし……俊弥にはずっと、嫌われてたんだと思ってた……」
「……え?」
一瞬こちらに目線を流したが前へ向き直り、過去を巡らせたのかしばし間を置いてから答えた。
「……いつ? 嫌いって言った?」
「……だって……未麻みたいな可愛くねー奴と付き合うわけないって、言ってた……」
か細い声で紡ぎ出すと、隣からコトリとカップをテーブルに置く音が響いた。
顎に手を当て再度逡巡した後、口を開く。