イケメンなんか大嫌い
「はい」
ぐったりと身体を横たえた目線の先の、ローテーブルの上にコーヒーカップが置かれた。
重い身体をどうにか起こし、ひとまず下着を身に付けると、突如薄いグレーの布地が視界を埋め尽くし、頭に被さったと理解した。
「わぷ」
「それ着てて良いよ」
少し大きめのスウェットに袖を通しつつ、ぶっきらぼうながら彼女扱いしてくれている気がして、嬉しかった。
そして目の前にはいわゆる、モーニングコーヒー。
ベッドに並んで腰掛け、啜ると胸元に優しい暖かさが広がる。
「……そういえばさぁ……俺、住所教えたっけ?」
伏目がちにカップに口を付けながら、不意に投げられた質問に、ぎくりと心臓が跳ねた。
「誰に聞いたの」
「……誰にも?」
「……どういうこと」
「…………北公園の裏のネオメゾンって、言ってたから」
目線を泳がせつつ小声で唇を尖らせるが、追求は終わらない。
気まずく、裸足の爪先をもじもじと弄らせる。
「……何で部屋の前に居たの」
「……公式サイトで……入居中になってたから……この部屋かなって」
「…………」
黙り込み俯いた隣の人を、恐る恐る覗き込む。
「……引いた……?」