イケメンなんか大嫌い
ちらりと視線を投げ返すと、俊弥が無表情のまま品定めでもするかの様にわたしを観察している。
頼むから放っておいて欲しい……そう願いを込めて返した笑顔は苦笑いになってしまった。
笑顔を貼り付けるのは得意なはずなのに……おかしい。
「……香坂さん、イメージと違うな。女性らしい人なんですね」
それまで黙っていた俊弥が口を開いたかと思うと、唇が弧を描いた。
瞬時に気付く。俊弥は小学校時代のイメージのことを言っているのだと。
表情は笑っているが、これは……嫌味!?
「……どんなイメージだったんでしょう」
動揺を悟られないよう極めて冷静に微笑み返したつもりだったが、何だかイライラして、気付いた時にはお酒のピッチが上がっていた。
前園係長や堂島くんに対しては好感度の高い青年を演じている様子だが、時折わたしの方へ送って来る不敵な視線に益々苛立ちが募る。