イケメンなんか大嫌い

賢司くんは連絡を取った日から更に1週間ばかりが過ぎた月曜日の昼休憩中に、漸く日程を上げて来た。
翌週の火曜日に泊まりに来るつもりらしいが、つまりはもう1週間は会わない日々が続くということだ。
少し間があると思われた同窓会も、そうこうしている内に終わっているのだ。

「香坂さん、大丈夫ですか?」

顔を上げると、思わず声を掛けてしまった、といった微妙な表情で堂島くんが傍に立っていた。
素通り出来ない程に、デスクで頭を抱え盛大な溜息を吐き出していたらしい。

「……平気」
「何か最近、浮かない顔ですね」

力なく作り笑いを彼に向けたが、予想外の反応に僅かに頬を引き攣らせた。
いつも子犬のように屈託なく、悪く言えば鈍感そうな彼には、猫を被り切れなくても見破られないような気がしていた。

賢司くんにも、近頃は“可愛い彼女”を演じ切れていない。

あの最後に会った日から計算すると、次に会う頃には20日ぶりとなる……。
辿り着いた事実に、顔を青くする。

……大丈夫。わたし達は、大丈夫……。
心の中で繰り返し呪文の如く唱えた。
それは自分へと言い聞かせている言葉だと、薄々理解していた。

しかし不思議と、心臓は整った鼓動を鳴らしている。
落ち着いて遠くから傍観しているかのような自分の存在も、把握していた。

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