イケメンなんか大嫌い
グラスが行き渡ったのをわたしも確認しつつ、事前の打ち合わせ通り、俊弥が挨拶を開始する。
「今日はたくさん集まってもらって、12年ぶりに皆に会えて嬉しいです。中学が別だった僕の呼び掛けに応えてくれてありがとう。短い時間ですが楽しんで下さい」
さすがTPO男、そつのない挨拶だと横目で見遣った後、皆でグラスを合わせると、それぞれのグループで歓談が始まった。
「愛唯ちゃんもしかして……結婚するの?」
近くに居た女の子達もおずおずと輪に入って来て、話題が再燃する。
愛唯ちゃんが照れ臭そうに頭を掻く。
「一応……婚約する予定にはなってる」
「へぇ~! 今、仕事は?」
「バンクーバーのホテルでフロントスタッフしてて、続けるつもりだよー。日本人旅行者に案内したりとかしてる」
「凄いね~! 英語喋れるだけで凄いのに、ちゃんと仕事して結婚まで……」
はしゃぐ彼女達に混じって、思わず羨ましさが口を突いて出る。
「愛唯ちゃん、やっぱり彼氏と住んでたんだね~良いな~」
「……未麻ちゃんだって彼氏いるんでしょ?」
愛唯ちゃんが不思議そうに瞬きした。