イケメンなんか大嫌い
絶妙なタイミングで俊弥を呼び止める愛唯ちゃんに、心音が大きく鳴り始める。
3人が顔を突き合わせて、愛唯ちゃんだけが満足気に笑顔を見せた。
「3人揃ったの小学校卒業以来だねー! ふたりは一緒に仕事してるみたいだけど」
「一緒にっていうか、会社違うけどな。ほぼ電話の遣り取りだけ」
料理を盛った皿を手にやって来た俊弥は、平然とローストビーフを頬張り始める。
「あっそうなの? どういう繋がり?」
「うちの会社がお客様から受けた申込を、未麻の会社にメールで送って……」
何事もないように楽しげに談笑しているふたりを、困惑顔で窺い見た。
もしかして……わたしだけが動揺してる? この状況に。
騒いでいる心臓を落ち着けようと、心の中で説得していたら、不意に話を振られた。
「未麻ちゃん、OLさんしてるんだねー。すごく女の子らしくなったね」
「えっ? あぁ、服装の話?」
大きな瞳に、頭から爪先までまじまじと眺められた。
今日は持っている中でも綺麗めの、裾や袖口、胸元にエレガントな刺繍の施された厚手のワンピースを纏い、少しヒールが高めなTストラップのエナメルパンプスを合わせてみた。
「仕事の時もそんな格好?」
「仕事はほぼ普段着だから、もう少しカジュアルかな。今日は同窓会だからって思って。昔は愛唯ちゃんの方がこういう服着てたかもね」
笑って返すと、唐突に奥の方から男子の声が響いた。
「多崎、多崎!」
「……なんか呼ばれた」
振り返り呟くと、手招きの方へと導かれ歩いて行ってしまう。
俊弥とふたり取り残された。