熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「ますます、分かんなくなってきた。
私と結婚することは、
契約して決まったことだから、
今さら覆せないって。
ファイサルはそう言うけど。
それって、本気で言ってると思う?」
「随分、本気で言ってんじゃん。
ファイサルが、そこまで言うなら、
そのつもりなんでしょう」
「うん。やっぱり、気が重いよ。
何とか諦めてもらう方法ってないかな」
諦めてくれないかな……
かなり、本気でそう思う。
私は、普通の生活がしたかった。
日本人の普通の男性と結ばれて、
普通の生活をして、普通に一生を終える。
そんな自分には、
ファイサルの存在は大きすぎる。
「そうか。ファイサルは、
美夜を国に連れて帰るつもりなんだ」
「国って?ビジャール王国ってこと?」
「そうよ。美しい海岸線と砂漠の国」
千紗、月の砂漠なんて歌ってる。
「ロマンチックね」
「あのね、自分が関わるかもしれない
国のことちゃんとわかってる?」
自分は、鼻歌なんか歌ってるくせに、
私に向かって批判的だ。
「ちょっとは調べてるわよ」
ネットで検索するくらいだけど。
千紗は、少し考えてから言った。
「池山さん、ドバイから帰って来てるわよ。
中東のこと詳しいと思うから、
聞いてみたら?」
「うん」