熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「美夜……」
「ごめん、食事の用意まだできていないの」
ショックから立ち直っていない。
食事どころじゃなかった。
「いいよ。食事は何でもいいんだ。
それより、明日から出かけよう。
宿を予約して美味しいものを食べよう」
「山形に行くのね」
「ああ。母に会ってくるよ」
彼は普段通りだった。
慌てることもなく、
頭を抱えて悩むようなこともなく。
その夜、ファイサルは、
いつになく優しかった。
「美夜、顔を良く見せて」
私は、どうしても返事が出来なくて、
彼に笑って欲しいと言われてもその通り出来なかった。
もう少し、積極的に
彼のことを抱きしめてあげれば、
考えを変えてくれるかもしれないと思った。
一週間。
わがままを言えば、
聞いてくれるだろうか?
残された時間は、
伸びることはないのだろうかと思った。