熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「美夜、悪いけれど、
私は自分で乗り物を操縦できるのは、セスナ機だけなんだ」
「車は?」
私は、信じられないっていう顔をする。
「日本では運転できない」
「わかった。
私が運転していくね。レンタカーを借りなきゃ」
「ん、すまないな」
ファイサルは、道のことも詳しくない。
仕方なくナビで調べる。
首都高速から東北自動車道通って、
山形自動車道に入って月山で高速を降りた。
7時間ほどのドライブだった。
今のところ、
都会で運転する機会はないけど、
本来は運転するのは嫌いじゃない。
高速を降りて、
並行して走る国道を行くことにした。
国道112号は、
山形市から酒田市まで、
山形県を横断している国道だ。
ちょうど、
月山のふもとを通り抜け、
道沿いに観光地が並んでいる。
でも、道路はセンターラインが、
黄色の2車線道をだらだらと走っていく平凡な道だった。
「お母様から、何か地名とか、
人の名前とか聞いてた?」
「いいや」
「ただ、この山を
どこからか見ていたというだけで、
母は鶴岡というところで
生まれたということしか分からない」
彼は、窓の外を見ながら
新緑の清々しい空気に触れている。
「お母さんの旧姓は?」
「須藤啓子。
鶴岡市内の中学を出て市内の高校に通った」
「今日は鶴岡の近くに泊まって、
明日市内を回って見ましょう」