熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
袖を通して、前を合わせてあげる。

多少裾が短いものの、
そこは仕方ない愛嬌だと割り切る。

帯を締め、丹前を着せる。

「よく似合う。素敵」
ファイサルは何を着ても似合うね。

もちろん、
アラブの民族衣装を着ても素敵だし、
和服も素敵だ。

「美夜、美夜も素敵だよ」

「ありがとう、ファイサル」
ほんの触れ合うようなキス。



だんだん日も暮れて来て、
海岸線にほんの少しの明かりだけになった。



「失礼します」と、
仲居さんがやって来て食事の用意をしていく。


この辺りの浜でとれた魚介、
地元産の野菜、美味しいお肉が
懐石料理になって次々に並べられていく。

ファイサルは、
器用に箸を使って食事をしていく。

食事が終わると
、部屋付きの仲居さんが来て

「フロアに宿泊するお客様だけが、
自由に利用できる
ラウンジがありますから、いかがでしょうか?」と聞いてきた。

すでに日は落ちていた。

海は暗くて見えなかったけれど、
窓辺に面したソファに座っていた。

私は、ファイサルの腕の中にいた。

「この辺りのお酒は、
本当に美味しいのに飲めないなんて残念ね」

「君は、好きなだけ飲むといい」

それほど強くない方だけれど、
飲み始めるといつもより多く飲んでしまった。

ファイサルは、
普段通りにしているけれど、
時々ふっと考え込むように黙ってしまう。

そいうときの彼の顔が好きではなかった。
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