スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「本当ですか……? でも、まだ分からないですよ。今日は初日ですし」

部長と駐車場に向かいながら、ほとんど疑いの目で見た。

「次があるのが、なにより証拠だ。それに、今回のダイニングバーは、グループ企業の経営とはいえ、橘トラストホールディングスが全面出資しているだろ? 気合いの入れ方も半端ない 」

「そういえば、そうでしたよね」

だとしたら、副社長は私のどこが気に入ったのだろう。そんな私の考えが分かったのかどうか、部長は苦笑しながら言った。

「広瀬のひたむきさは伝わったんだろう。それから、少し天然なところも」

「天然⁉︎ 私、天然じゃありませんよ」

慌てて否定すると、部長はニヤッとした。

「大企業グループの御曹司を前に、頭を振るヤツがいるか? あれ、橘副社長にはかなりウケてたみたいだけどな」

社用車に乗り込む部長につられるように、私も助手席に乗る。あのときのことを思い出し、恥ずかしさでいっぱいだった。

「橘副社長くらいのステータスの高い人が、そんなことで私を気にいるとは思えませんけど……。うるさそうじゃないですか」

「それは分かんないだろ? ああいうVIPな人ほど、俺たちとは感覚が違うから。少なくとも、広瀬と話しているのは楽しそうだったな」

本当かな……。まるで、信用できない。だけど翌日、副社長から私あての電話がかかってきて、それ以上の反論はできなくなった。
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