スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「同棲……ですか」

予想できることとはいえ、ハッキリ知らされると、苦しく感じる自分がいる。

「そうです。ここより、もっとビジネス街寄りのタワーマンションに、私たち住んでたんですけど……」

と言いながら、萌さんはリビングから見える景色に目をやる。

少し涙を潤ませて、「ここから見える景色とは、全然違うんですよね……」と呟いていた。

「萌さん、今日はなんの用で来られたんですか? 亮平さんに会いに来たんですよね?」

ただの昔話をしに来たわけじゃないだろうし。少し冷たい言い方かもしれないと思ったけれど、私はもう亮平さんへの想いを揺らしたくなかった。

だから、萌さんとはキッパリと向き合いたい。すると彼女は、私へ向き直った。涙はもう見えなくなっている。

「明日、貴也くんと結納するんです。知ってますよね? 貴也くんのこと」

「は、はい……。お仕事で、ご一緒していますから」

貴也さんと明日結納? あまりの急展開に呆気に取られていると、萌さんは続けた。

「私と貴也くんは政略結婚なの。お互いの利益確保のために、父同士が決めた結婚。私がどんなに亮平くんに未練を残していても、話はさっさと進んでいたんですよ」
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