スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
亮平さんの支えになりたいです
「な、なんなの……。これは……」

朝起きて、呆然とテレビの前に立つ。手に持った新聞は、無意識に握りしめていた。

「実和子、新聞がグチャグチャだぞ?」

すでにスーツ姿の亮平さんは、普段と変わった様子はない。むしろクスッと笑って、私から新聞を取り上げた。

「亮平さん⁉︎ このニュース……」

テレビの向こうでは、圭介たちが橘トラストホールディングスの融資の仕方を巡って、脅迫めいたものがあったことを訴えていると伝えている。

他にも、理由なく融資を打ち切り、倒産した零細企業の社長が圭介に追随していた。

「ああ。実和子が心配するようなことじゃないよ」

冷ややかな目でテレビを見た亮平さんは、すぐにダイニングテーブルに着いた。そして、用意していたコーヒーを口にしている。

「でも、五社も訴えるとか、新聞だって一面なのに……」

圭介の良くない噂は、萌さんからも聞いていた。それでも半分意味が分からなかったけど、こういうことだったの……。
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