いつも、雨
でも、だったら、おばあちゃんは、何だったの?


それに、おばあちゃんは死んじゃったけれど、橘のおじさまは生きてるのに。


やっぱり納得できない。

ずるい。

おじいちゃん、ずるい。


そんなに好きなら、こそこそしてないでほしかった。


いっそさっさと家族を捨てて、橘のおばさまと再婚すればよかったのに。

悲しいけれど、そのほうがスッキリするわ。


白黒ハッキリしてほしい。


……オトナの事情とか、あるのかもしれないけど、……おじいちゃん、もっと独断的なはずなのに、どうして?

どうして、隠れてコソコソ中途半端な不倫なんか続けてるの?


ずるい。

ずるいよ……。



……そうだ。


孝義くんも、同じだ。

この状況、なに?


夕食を作ってくれた色気過多な標準語のお姉さんも、後片付けに来てくれた福井のお姉さんも……まいらを歳以上に子供扱いして、自分の女性としての優位性を孝義にアピールしていた。

孝義もまいらも、何も言わなかったけれど……逆効果だってことに、どうして気づかないのだろう。


馬鹿なの?

意味わかんない。


そもそも、後妻候補に押しかけられて……家にまで入り込まれてるなんて、聞いてない。

追い出すんじゃなかったの?

私を、ただの虫除けって?

それって、消極的すぎない?


孝義くんらしくない。


ちゃんと、断わって、追い返して欲しい。


……な~んて、言っちゃぁ、ダメかなあ……。

わかんない。


明日……お父さんに聞いてみよう。




そう決めたら、自然と瞼が落ち、すーっと眠りに引き込まれた。



まいらの軽いかわいい寝息を襖越しに聞いて、孝義もまた、安堵感で眠りに陥った。



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翌朝、食事の準備に来たのは、昨日の2人よりは少し年輩の落ち着いた女性だった。

孝義くんと同年代なのかな。



聖人君子の仮面をかぶった孝義を見習って、まいらも礼儀正しいお嬢さま然と振る舞ってみた。




……ただの朝食なのに……疲れた……。



「孝義くん、ご飯、明日から私が作ろうか?」

思いつきで、まいらはそう言ってみた。
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