いつも、雨
「……すまん。お願いするんは、こっちやろ。ありがとう。ほな、頼むわ。でも、嫌になったら、いつでも辞めてくれてええから。……それから……。」
孝義は、ちょっとためらってから、言った。
「ほな、昼は、寺においで。一緒に昼飯食おう。……ゆーても、ほとんどが、店屋物か、近くに食いに行くだけやけどな。……まいらも、昼ぐらいは、楽したいやろ。」
「うれしい!!!行くっ!!!」
ぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶまいらに、孝義は目を細めた。
素直に、かわいいと思った。
10時頃、義人がまいらの荷物を持って、孝義の自宅を訪ねて来た。
孝義は寺に出勤していたが、義人到着の連絡を受けて、帰宅した。
「孝義くん。この度は、娘が厄介になるそうで。……迷惑じゃない?」
いくつになっても、立場が変っても、やわらかい言葉で話し掛けた義人に、孝義は慇懃無礼に頭を下げた。
「いや。俺が言い出したことですので。迷惑どころか、却って恐縮してます。……まいらが、朝食と夕食も作ってくれるそうですわ。……こき使うことになってしまって……すいません。」
「へ?まいら?料理?……へえ……それはそれは。……いっそ。掃除と洗濯も、やってみれば?」
義人は、からかうように、まいらに勧めた。
まいらは、神妙にうなずいた。
「うん。ほんまは全部やってみたい。でも、最初から、全部は無理やと思う。……とりあえず、由未ちゃんに、旬の食材とか、レシピとか聞いて、お料理にチャレンジしてみる。」
思ってもみなかった返答に、義人は目を丸くした。
目の前の娘は、確かに娘のまいらのはずなのに……昨日までと別人のようだ。
なんとまあ……。
突然、オトナになっちゃったなあ……。
苦笑して、義人は言った。
「そうか。まあ、やってみ。……て、俺にも、何でも、聞いてくれていいねんで?」
しかしまいらは、真顔で拒否した。
「うちの食卓、贅沢やもん。予算オーバーやわ。参考にならへん。」
「……。」
言葉にならない呻き声が、孝義の口から漏れ出た。
義人は、気の毒そうに孝義に目配せして、それからまいらをたしなめた。
「内々のことは、言うたらあかんよ。まいら。」
「……なるほど。はい!」
まいらは、義人にそう返事してから、孝義に向かって頭を下げた。
「ごめんなさい!もう、言いません!気をつけます!」
孝義は、ちょっとためらってから、言った。
「ほな、昼は、寺においで。一緒に昼飯食おう。……ゆーても、ほとんどが、店屋物か、近くに食いに行くだけやけどな。……まいらも、昼ぐらいは、楽したいやろ。」
「うれしい!!!行くっ!!!」
ぴょんぴょん飛び跳ねて喜ぶまいらに、孝義は目を細めた。
素直に、かわいいと思った。
10時頃、義人がまいらの荷物を持って、孝義の自宅を訪ねて来た。
孝義は寺に出勤していたが、義人到着の連絡を受けて、帰宅した。
「孝義くん。この度は、娘が厄介になるそうで。……迷惑じゃない?」
いくつになっても、立場が変っても、やわらかい言葉で話し掛けた義人に、孝義は慇懃無礼に頭を下げた。
「いや。俺が言い出したことですので。迷惑どころか、却って恐縮してます。……まいらが、朝食と夕食も作ってくれるそうですわ。……こき使うことになってしまって……すいません。」
「へ?まいら?料理?……へえ……それはそれは。……いっそ。掃除と洗濯も、やってみれば?」
義人は、からかうように、まいらに勧めた。
まいらは、神妙にうなずいた。
「うん。ほんまは全部やってみたい。でも、最初から、全部は無理やと思う。……とりあえず、由未ちゃんに、旬の食材とか、レシピとか聞いて、お料理にチャレンジしてみる。」
思ってもみなかった返答に、義人は目を丸くした。
目の前の娘は、確かに娘のまいらのはずなのに……昨日までと別人のようだ。
なんとまあ……。
突然、オトナになっちゃったなあ……。
苦笑して、義人は言った。
「そうか。まあ、やってみ。……て、俺にも、何でも、聞いてくれていいねんで?」
しかしまいらは、真顔で拒否した。
「うちの食卓、贅沢やもん。予算オーバーやわ。参考にならへん。」
「……。」
言葉にならない呻き声が、孝義の口から漏れ出た。
義人は、気の毒そうに孝義に目配せして、それからまいらをたしなめた。
「内々のことは、言うたらあかんよ。まいら。」
「……なるほど。はい!」
まいらは、義人にそう返事してから、孝義に向かって頭を下げた。
「ごめんなさい!もう、言いません!気をつけます!」