いつも、雨
「うわぁ。美人や。すごーい!孝義くん、孝義くん!私にも見えた!声も聞こえた!うれしい!」
孝義や母から聞いていた、噂の地縛霊に会えたことで、まいらは純粋に喜んだ。
「……ええな。俺は、今は、声しか聞こえんけどな。」
孝義はそう言いながら、既に運ばれていた蓋付きの四角い塗りの箱を、まいらと自分の前に置いた。
ふわりと高子が浮き上がり、孝義の肩に座った。
「今、孝義くんの肩に座らはった……。」
「定位置らしいわ。……とりあえず、昼飯、食おう。せっかくの鰻重やし。あったかいうちに。」
「はい!いただきます!」
「……多くの命と皆様のおかげにより、……」
まいらが手を合わして、すぐ食べようとしたら、孝義が食前の言葉を唱え始めた。
慌ててまいらも合掌しなおして、最後だけ一緒に唱和した。
「……ありがたく、いただきます!」
高子さまに見守られて、孝義とまいらは、鰻重と桃の昼食をとった。
……初めてのランチやから、孝義くん、張り込んでくれたのかな。
親子丼でも、きつねうどんでも、いいのに。
なんとなく申し訳なさを感じたけれど、高子さまがにこにこしてらっしゃるので、……まあ、いいか……と、まいらも笑顔で食べた。
「あと、これ、デザート。冷蔵庫の桃。……めっちゃあるから、あとで、コンポートも作ってもいい?」
まいらは、持参した桃を出すと、フォークを孝義に手渡した。
「……ああ。好きにしてくれてええで。……へえ……ありがとう。」
孝義は奇妙な感動を覚えていた。
立場上、物心つくまえから、自宅には贈答品が溢れていた。
全国から、いや、世界中の支部からも、美味しいもの、珍しいものが贈られてきたが……両親はとても保守的で、珍しいものに興味を示さなかった。
しかし、やはりこれも立場上、いただきものを分配するわけにもいかず……結局、一度も口にすることなく処分されることが当たり前の日常だった。
もったいないが、どうしようもない。
特に、剥く手間のかかる果物は、放置されたまま腐ってゆくことが多かった。
まだ、バナナやみかんなど、手軽に食べられるものは、孝義も幼少期から補食に消費してきたが、その程度だ。
……竹原家も、贈答品は多いだろうが……もしかして、捨てずにすべて消費してるのだろうか……。
いや、でも、亡くなった夫人は、あまり……料理が得意ではなかった気がする……。
孝義や母から聞いていた、噂の地縛霊に会えたことで、まいらは純粋に喜んだ。
「……ええな。俺は、今は、声しか聞こえんけどな。」
孝義はそう言いながら、既に運ばれていた蓋付きの四角い塗りの箱を、まいらと自分の前に置いた。
ふわりと高子が浮き上がり、孝義の肩に座った。
「今、孝義くんの肩に座らはった……。」
「定位置らしいわ。……とりあえず、昼飯、食おう。せっかくの鰻重やし。あったかいうちに。」
「はい!いただきます!」
「……多くの命と皆様のおかげにより、……」
まいらが手を合わして、すぐ食べようとしたら、孝義が食前の言葉を唱え始めた。
慌ててまいらも合掌しなおして、最後だけ一緒に唱和した。
「……ありがたく、いただきます!」
高子さまに見守られて、孝義とまいらは、鰻重と桃の昼食をとった。
……初めてのランチやから、孝義くん、張り込んでくれたのかな。
親子丼でも、きつねうどんでも、いいのに。
なんとなく申し訳なさを感じたけれど、高子さまがにこにこしてらっしゃるので、……まあ、いいか……と、まいらも笑顔で食べた。
「あと、これ、デザート。冷蔵庫の桃。……めっちゃあるから、あとで、コンポートも作ってもいい?」
まいらは、持参した桃を出すと、フォークを孝義に手渡した。
「……ああ。好きにしてくれてええで。……へえ……ありがとう。」
孝義は奇妙な感動を覚えていた。
立場上、物心つくまえから、自宅には贈答品が溢れていた。
全国から、いや、世界中の支部からも、美味しいもの、珍しいものが贈られてきたが……両親はとても保守的で、珍しいものに興味を示さなかった。
しかし、やはりこれも立場上、いただきものを分配するわけにもいかず……結局、一度も口にすることなく処分されることが当たり前の日常だった。
もったいないが、どうしようもない。
特に、剥く手間のかかる果物は、放置されたまま腐ってゆくことが多かった。
まだ、バナナやみかんなど、手軽に食べられるものは、孝義も幼少期から補食に消費してきたが、その程度だ。
……竹原家も、贈答品は多いだろうが……もしかして、捨てずにすべて消費してるのだろうか……。
いや、でも、亡くなった夫人は、あまり……料理が得意ではなかった気がする……。