いつも、雨
孝義は、ためらいがちに尋ねた。
「……ありがたいけど……果物、めんどくさくないけ?」
「へ?」
質間の意味がわからず、まいらはきょとんとした。
孝義は、頭を掻いて、言葉を重ねた。
「皮剥いたり、切ったり、皿に盛ったり、フォーク出したり?洗い物も増えるし。……仕事増やしてしまわへんけ?無理せんでええで?」
「……いやいやいや。全然、無理ちゃうし。むしろ、食べんと捨てるほうが、無理やし。……びっくりやわ。孝義くん、おぼっちゃますぎ!!!」
まいらは、珍しいものを見るように、孝義を眺めた。
孝義は、多少、気恥ずかしさを覚えたが、無理やり顔をしかめてごまかした。
「……まいらお嬢様に、おぼっちゃま呼ばわりされるとはな。」
「まあ、おじいちゃんの会社と社会的地位はともかく、うちのなかは、普通やから。」
まいらは、常々、希和子から言われているように言ってみた。
孝義が、ちょっと笑った。
「普通とは思わんけどな。」
「……そうなの?よくわかんない。……でも、学校のお友達みたいに、ラーメン食べにわざわざ博多や札幌まで行くとか、しいひんよ?」
極端な例を出すまいらに、孝義は苦笑した。
「せやな。そーゆー贅沢……とゆーか、阿呆なことは、お互いに、してへんな。」
まいらは大真面目に頷いた。
「うん。私もそれ聞いて、みんなが羨ましがる意味がわからんかった。時間とお金の無駄遣いを自慢するの、恥ずかしくないんかな、って。」
「……まあ、いろんな人がいるからな。価値観の相違ってやつやな。……うっとこは、何せ、両親とも公務で忙しくしてたし……食事に凝ることはなかったわ。……せやし、適当でええしな?」
孝義にそんなふうに言われて、ますます、まいらのやる気が燃え上がってしまった。
「未熟やけど、適当にはしいひんで。ちゃんと作る。……せやけど、いただきものの種類が豊富やから、買い足すモン少なくてすみそうやねえ。」
「……そうけ?……ほな、よかった。……冷蔵庫だけやなくて、乾物とか?素麺とか米とかは、蔵に入れてあるし。そっちも好きに使って。」
蔵もあるのか。
もしかして、予算内楽勝じゃない?
まいらの表情が明るく楽しそうに輝いたのを観て、孝義は目を細めた。
「……ありがたいけど……果物、めんどくさくないけ?」
「へ?」
質間の意味がわからず、まいらはきょとんとした。
孝義は、頭を掻いて、言葉を重ねた。
「皮剥いたり、切ったり、皿に盛ったり、フォーク出したり?洗い物も増えるし。……仕事増やしてしまわへんけ?無理せんでええで?」
「……いやいやいや。全然、無理ちゃうし。むしろ、食べんと捨てるほうが、無理やし。……びっくりやわ。孝義くん、おぼっちゃますぎ!!!」
まいらは、珍しいものを見るように、孝義を眺めた。
孝義は、多少、気恥ずかしさを覚えたが、無理やり顔をしかめてごまかした。
「……まいらお嬢様に、おぼっちゃま呼ばわりされるとはな。」
「まあ、おじいちゃんの会社と社会的地位はともかく、うちのなかは、普通やから。」
まいらは、常々、希和子から言われているように言ってみた。
孝義が、ちょっと笑った。
「普通とは思わんけどな。」
「……そうなの?よくわかんない。……でも、学校のお友達みたいに、ラーメン食べにわざわざ博多や札幌まで行くとか、しいひんよ?」
極端な例を出すまいらに、孝義は苦笑した。
「せやな。そーゆー贅沢……とゆーか、阿呆なことは、お互いに、してへんな。」
まいらは大真面目に頷いた。
「うん。私もそれ聞いて、みんなが羨ましがる意味がわからんかった。時間とお金の無駄遣いを自慢するの、恥ずかしくないんかな、って。」
「……まあ、いろんな人がいるからな。価値観の相違ってやつやな。……うっとこは、何せ、両親とも公務で忙しくしてたし……食事に凝ることはなかったわ。……せやし、適当でええしな?」
孝義にそんなふうに言われて、ますます、まいらのやる気が燃え上がってしまった。
「未熟やけど、適当にはしいひんで。ちゃんと作る。……せやけど、いただきものの種類が豊富やから、買い足すモン少なくてすみそうやねえ。」
「……そうけ?……ほな、よかった。……冷蔵庫だけやなくて、乾物とか?素麺とか米とかは、蔵に入れてあるし。そっちも好きに使って。」
蔵もあるのか。
もしかして、予算内楽勝じゃない?
まいらの表情が明るく楽しそうに輝いたのを観て、孝義は目を細めた。