いつも、雨
「せっかく、竹原とずっと一緒にいられるようになったのに……ごめんなさい。こんな身体で。」
要人は、医師から領子が性行為の危険性を説かれたことを思い出した。
「謝ることじゃありませんよ。別にセックスだけが愛情表現じゃない。激しいことは、もう、充分してきたから、これからは、優しく愛し合いましょう。」
「……。」
露骨に言われて、領子は何も言えなくなってしまった。
「領子さま?」
顔を覗き込まれ、恥ずかしさに慌てて背けた。
……かわいいなあ。
「こっち向いてくださいよ。顔を見せて。」
「……もう……。」
領子は、要人にひしとしがみついた。
これなら、赤くなった顔を見られなくてすむ。
そのまま優しく背中を撫でられて……領子は、とろーんとしてきた。
……このまま寝てしまいそう。
「いいですよ。……おやすみなさい。」
「ん……」
安心したように、領子は本当に寝てしまった。
身体をひねった状態で……苦しくないのだろうか。
しばらく様子を見ていたが、完全に寝てるようなので、要人はそっと領子をソファに寝かせた。
風邪を引かないよう、タオルケットを掛ける。
安らかな寝顔を眺めているだけで、要人は幸せに満たされた。
一分一秒でも、2人の時間が長く続くことを、心から祈った。
********************************************************************************************************
短い秋が通り過ぎ、冬が来た頃。
……突然、領子に異変が起きた。
いつものように、要人にもたれてうたた寝をしていて……目覚めた領子は、笑顔で言った。
「ごきげんよう。お兄ちゃん。」
最初は、ふざけているのかと思った。
しかし領子は至って真面目に訴えた。
「こんなに寒いと、鴨五郎さん、凍えちゃわないか心配。あったかいもの、持って行ってあげたいの。」
……は?
鴨五郎?
懐かしい名前に、要人は、一瞬ぽかーんとした。
かつて……かれこれ50年以上前に、鴨川の橋の下に住んでいたホームレスで、要人に株を教えた恩人だ。
もちろん、とうの昔に死んでいる。
……これは……まさか……。
自分の心音が聞こえるぐらい緊張してきた。
要人は、医師から領子が性行為の危険性を説かれたことを思い出した。
「謝ることじゃありませんよ。別にセックスだけが愛情表現じゃない。激しいことは、もう、充分してきたから、これからは、優しく愛し合いましょう。」
「……。」
露骨に言われて、領子は何も言えなくなってしまった。
「領子さま?」
顔を覗き込まれ、恥ずかしさに慌てて背けた。
……かわいいなあ。
「こっち向いてくださいよ。顔を見せて。」
「……もう……。」
領子は、要人にひしとしがみついた。
これなら、赤くなった顔を見られなくてすむ。
そのまま優しく背中を撫でられて……領子は、とろーんとしてきた。
……このまま寝てしまいそう。
「いいですよ。……おやすみなさい。」
「ん……」
安心したように、領子は本当に寝てしまった。
身体をひねった状態で……苦しくないのだろうか。
しばらく様子を見ていたが、完全に寝てるようなので、要人はそっと領子をソファに寝かせた。
風邪を引かないよう、タオルケットを掛ける。
安らかな寝顔を眺めているだけで、要人は幸せに満たされた。
一分一秒でも、2人の時間が長く続くことを、心から祈った。
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短い秋が通り過ぎ、冬が来た頃。
……突然、領子に異変が起きた。
いつものように、要人にもたれてうたた寝をしていて……目覚めた領子は、笑顔で言った。
「ごきげんよう。お兄ちゃん。」
最初は、ふざけているのかと思った。
しかし領子は至って真面目に訴えた。
「こんなに寒いと、鴨五郎さん、凍えちゃわないか心配。あったかいもの、持って行ってあげたいの。」
……は?
鴨五郎?
懐かしい名前に、要人は、一瞬ぽかーんとした。
かつて……かれこれ50年以上前に、鴨川の橋の下に住んでいたホームレスで、要人に株を教えた恩人だ。
もちろん、とうの昔に死んでいる。
……これは……まさか……。
自分の心音が聞こえるぐらい緊張してきた。