君の声が、僕を呼ぶまで
「おはよーございます」

あ、華ちゃんが来た。

今日も、冬島先輩と一緒。


「おはよ、相川さん」

冬島先輩は華ちゃんの送り迎えで、朝と放課後、保健室に来るので、ちょっとだけ慣れた。

「あれ、桜子」

冬島先輩の隣にいる、もう1人の女の子が、桜子ちゃんに気付いて挨拶をしてる。


「おはよ、沙羅…と、冬島先輩」

…少し、桜子ちゃんの顔と声が陰った気がするけど、どうしたんだろう?


そんな桜子ちゃんを見て、華ちゃんが身を乗り出しながら「誰?誰?」と、冬島先輩に聞いている。

『誰?誰?』は、華ちゃんの口癖らしい。

「部活の後輩の、植木桜子さんだよ」

「そして、私の友達」

冬島先輩と、その沙羅と呼ばれた子が答える。
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