君の声が、僕を呼ぶまで
痛かった。


石を投げつけられるのが。

木の枝で、刺すようにつつかれるのが。

尻尾を持って、宙ぶらりんにされた事もある。


僕の身体は、本当にまだ小さくて。

食べるものも、その日、あるかないかで。

朝と夜は寒いし、昼は暑い。

風が吹けば冷えるし、雨が降れば凍える。


その日を生きて終われるかが精いっぱいで、体力なんかなくて。

引っ掻いたり噛み付く事も出来なくて、逃げる事も出来なくて。


僕は、あの子らの気が済むまで、飽きてくれるまで、耐えるしかなかったんだ。

耐え切れなければ、いつか死ぬんだろうなぁって。

お腹が減って独りぼっちで死ぬのと、痛いけど人に囲まれて死ぬの、どっちがマシなのかなぁって、回らない頭で考えてた日々。
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