幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
上手く言葉が纏まらなかったけれど、不安げな飛駒の声を聞いてしまったら言わないといけない。
嬉しいし、今は怖くない。けれど飛駒が私に言う甘い言葉は、恥ずかしい。けど嫌ではない。
それを上手く伝えたくて言葉を探す。
でもそれって、上手く伝えるとしたら……。
「えー、おほん。おほん、ごほん、げほんげほん」
ぐるぐるしていた私の後ろから、わざとらしい咳とも言えない咳で二人の甘ったるい空気は崩れた。
「えーっと、お邪魔して悪いね。幼稚園から電話だよ」
藤森さんが子機を私に差し出すと、飛駒ににやにや目で合図を送っている。
一応、ギリギリまで待って登場してくれたようだ。
「幼稚園?」
「うん。保育園に電話したら美結ちゃんが休みだったから飛駒の職場にかけたみたいだよ」
「うそ、大変っ」
もしかしたら葵くん、急に発熱とか何か大きな怪我したんじゃないの?
すぐに電話の保留ボタンを押し、二人から距離を取る。
「もしもし、お待たせしてスイマセン。市井です」
『美結さんの方ですね。お時間大丈夫でしょうか。担任の成宮です』
「はい、大丈夫です」
『葵くんがお友達と喧嘩しましてね。今からお迎えに来て頂けますか』
「……っすぐに行きます!」
そう答えたけれど、成宮先生が発した言葉に緊張と焦りが出て、飛駒に上手く説明できないまま幼稚園へと向かった。