幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!

「はーい、面会終わり終わり、二階行っててね。お、やっぱり二人の子ども?」

「藤森さん!」

「二階でリクガメのガー君がお散布始めてるよ」

爽やかに葵くんを誘導しているけれど、診察台のビーグル犬を見てピリピリした雰囲気を醸し出す。

「帝王切開の承諾書は貰ってるから、始めよう」

「こっち一匹心拍が弱ってる子猫がいる。一応保育器多めに準備してもらってるけど」

「先生、準備できました」

少し年配の看護師さんがやってくると、飛駒は子猫を任せて準備を始めた。
何か声をかけようか迷ったけれど、飛駒の目が私の知らない飛駒の目になっていたので葵くんと手を繋いで休憩室の方へ歩く。

「美結、葵っ」

マスクを少しずらした飛駒は、一瞬だけ悩むように目を横に動かし、此方を見た。

「休憩室の窓から見れるから、……見せたくなかったら外の階段から二階へ」

「……うん」
頑張って、とか、応援してるよとか、安っぽい言葉ばかり浮かんで結局何も声をかけられなかった。

< 109 / 172 >

この作品をシェア

pagetop