幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!


葵くんを抱っこして二階へ上がろうと廊下で出ると、ちょうどメーデルちゃんの飼い主さんが玄関に入って来るところだった。

「おめでとうございます。元気に三匹産まれましたよ」

受付の方が笑顔でそう言うと、飼い主さんはドッと咳こむように泣きだした。

そして受付の人と一緒に診察室へ入って行く。

「頑張ったわね、えらいわ。メーデルちゃん、良い子ね」

飼い主さんがメーデルちゃんを労わる声が、ドアが閉まるまでずっと聞こえてきて葵くんと私はにこにことその言葉を聞いていた。

 その後、リクガメの散歩を眺め、健康診断や予防接種で予約していた犬たちを二階から眺めながら、気付いた時にはソファで葵くんは眠っていた。

「そろそろ瞳さんの面会に行ってくるね」

午後の診察で、人が居なくなった隙に伝える。
するとマスクを顎までずらしながら飛駒が駆け寄ってきた。

「悪い。結局忙しくなっちゃって。て、葵は?」

「うん。……手術を自分から見たいって言って、怖がってたけど命が産まれることを理解してたよ」

抱っこしている葵くんを、飛駒はホッとした様子で見た。
その姿は、今朝見た飛駒よりもぐっと大人に見えた。

格好良すぎて、息がつまりそうになる。

「……カッコ良かった」

「へ?」

「今日の飛駒……格好良かったっ」

< 114 / 172 >

この作品をシェア

pagetop