幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!

その視線は、チクチク痛むだけじゃなく、棘ではなく熱い眼差しのせいで痛む。
――飛駒の様子がおかしい。

10年前も何を考えているか分からなかったけど、今の方が逃げ出したい衝動に駆られるほどわからない。

「美結ちゃん、ごめんなさいね。お仕事中じゃなかった?」

ブツブツと呟いていた私に、ベッドから顔だけ動かして瞳さんが心配げに様子を伺ってきた。
白くて透き通るような肌に、意志の強そうなくりっとした瞳。
控え目で上品な唇が、今日は少し青ざめているように見える。

瞳さんは、スラッとしたモデルのような体形に、気が強そうなはっきりした綺麗な顔立ちの美人さんだ。
それなのに、今日は消えてしまいそうに真っ白で弱弱しくて、一瞬言葉に詰まらせてしまった。

「だ、大丈夫です。ちょうど園児も少ない時間帯だったし。それに、入院中も私に頼ってください。葵くんも預かるし、仕事が終わったら毎日来ますよ」
「でも、うちのマンション使いにくいでしょ? 不便なのにこれ以上迷惑かけられないわ」
「迷惑じゃないですよ。葵くんを独り占めできちゃうしねー」

ぎゅーっと抱きしめると、葵くんは耳まで真っ赤になって照れてくれた。

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