幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
流石に、お兄ちゃんたち家族のマンションを預かっている身で、人様のソファでそんな展開は困る。
「き、気持ちはそんな感じだから、洗濯に戻るね」
じりじりと逃げてベランダに飛び出す。
濡れた洗濯物を触ると、熱くなった私の身体ですぐにでも乾いてしまいそうな勢いだった。
私たちは、もう隠せないぐらいお互いを思ってしまってた。
いや、違う。
こんなに愛情をいっぱいもらって甘やかされて、好きにならない方が難しかった。
好きで好きで、頬を熱くさせて胸をかき混ぜる感情。
子どものころと違うその気持ちの変化に、恥ずかしくてじたばた暴れてしまいそう。
「美結、終わったらちょっと手伝って」
「え、あ、もう終わるっ」
キッチンに立つ飛駒が私にヒラヒラ手招きする。
あの手が、さっきペット達の命を救ったんだよね。
その手が私を求めていると思うと、変な感じだ。
「終わったけど、何を手伝おうか? まな板洗う?」
戻ってみると既に野菜は煮立ったお湯の中。
子どもの甘口カレーのせいかスパイスよりもリンゴみたいな甘い香りの方が強い。
見渡すと、手際もいいのか調理器具はもう洗い終わってる。
市販のルーを入れてあとは完成だけみたい。
「手伝いは?」
「まあまあ、そこの俺が勝った踏み台に乗ってみてよ」
「?」
鍋の中を混ぜていた飛駒はそう言うので、渋々台に乗る。
「こう?」
「――うん」
横を向いたら、いつも見上げなければいけない飛駒の顔がすぐ隣にあった。