幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
「言葉か、行動を頂戴。俺、けっこうこれでもかってぐらい美結に上げてきたと思うんだけど、足りないなら俺が――」
「わー、待って、顔近づけないで」
絶対二人の心臓の音のせいで、部屋の温度は上昇中。
甘く痺れて、眩暈を錯覚させるこの空気に、私も緊張で涙が出てきそうだった。
踏み台に乗っても、まだ少し飛駒の方が大きい。
だからちょっと背伸びして、頬に唇を寄せた。
僅か、0、1秒ぐらいだったと思う。触れるか触れないか、ほんと瞬きするぐらい一瞬。
「え、ずる。短くね!? 足りないし!」
「じゃあ、大人のキスは、飛駒からどうぞ」
震える唇から、多少裏返った声でそう言って目を閉じた。
息をのむ音がして、閉じた瞼に指先が触れ、頬に降り、唇をなぞった。
仕事終わりの癖に、帰ってくる前に付け直したんっだろうと思ったら、私はその香りが多分世界で一番好きになりそうだった。
甘くてバニラみたいな香りの中、スパイシーでちょっと苦い香り。
なのに心地が良くて。
触れるか触れないか、緊張するお互いの息使いの中、終わりの扉が開かれた。
「ただいまー、にいに、みゆおねえちゃんっ」