幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!

「きゃーっ」
「わ、ばっ、落ちる」

踏み台の上で焦る私を捕まえて、飛駒が大声を出す。

「何をしてるんだ?」
 低く唸るような声が、可愛い葵くんの後ろからして地響きかと驚く。
まあ、般若みたいな顔のお兄ちゃんだったんだけど。

「鍋が、地獄の釜みたいに茹ってるぞ」
「げ、やべ、ルー入れなきゃ」

「おかえりー。葵くん、カレー出来るからパパとお風呂入っておいで」
「なんだ? 邪魔者みたく追い出す気が」

不機嫌なお兄ちゃんに対し、フッと鼻で笑うように飛駒が言う。

「そうですよ。邪魔です。……なんてね」
「飛駒!」

余裕ぶってる顔が、腹立たしい。この人、私と両想いって分かったからかお兄ちゃんに対して強気過ぎる。

「カレーもうすぐできるので、長旅でしたでしょうし、ゆっくりお風呂に浸かってください」
「ぱぱ、あおいね、めをとじてかみ、あらえるんだよ!」
「葵、今日の犬の赤ちゃんの話もしてやりな、ほら、さ、さ」

二人を帰って早々お風呂場に押し込むと、飛駒はふーっと息を吐く。
「で、続きは?」
「し、しない!」


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