幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
テーブルに突っ伏して泣く真似をするお兄ちゃんを見て、葵くんは唇を尖らせたまま大きく溜息を吐く。
それが大人みたいな演技で、私と飛駒は声を殺しつつも笑ってしまった。
「しかたない。みゆおねえちゃんのほうがいいけど、がまんしてあげる」
「葵! ありがとう」
「ほらね、嘘泣きだもん」
葵くんは自分のお皿をととととっと運ぶと私の隣に置いて、にこっと笑う。
そして私に甘えながら、ご飯を食べだした。
いつも少し大人しくて、いっぱい我慢している葵くんが、お兄ちゃんの前で我儘を言って意地悪している姿に少しだけ先ほどの不安を吹き飛ばす。
気のせいだったかもしれない。
それに、お兄ちゃんと飛駒が視線を一度も合わせないで食事をしてるのはなかなか面白かった。
「おい、俺にはなんで普通のご飯にカレーなんだ」
「あれ? 誠さんもう30歳過ぎたおじさんなのに、動物型のご飯にカレーが良かったんですか」
「当たり前だ。葵と御そろいが良かった」
「俺がこねくり回したご飯を食べたいって、俺愛されてますね」
「葵と御そろいが良いと言ったんだが、その腐った耳は大丈夫か?」