幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
葵くんは、お兄ちゃんが来ると言った瞬間申し訳なさそうにしたけれど、嬉しそうだった。
母親が入院して、父親が海外で、おまけに幼稚園の後に保育園に通わされて、それで笑顔でいい子な子が傷ついていないわけはない。
分かっていたはずなのに、すごく凹んでしまった。
「お、飛駒の恋人さん、はっけーん」
病院に到着してすぐ、裏門のドアを開けようとしたら藤森さんが出てきた。
「俺、今日上がりだから。明日は早番来るね」
「わ、お疲れ様です」
ドアを開けてもらい中に入ると、下半身裸で廊下をうろうろしている飛駒と目があった。
「ぎゃあ! 露出狂!」
「着替えてるだけだろぉ! 血が付いたんだよっ」
ロッカーの扉を開けて中に隠れながら、私をじっと睨む。
「ぎゃあってなんだよ。色気が無いなあ」
「裏口から入ってすぐに人間の裸なんか見たら、悲鳴あげちゃうでしょ」
Tシャツに着替えながら文句を言う飛駒は、別の白衣を着替えながら口を尖らせていた。
「今日は午後は二階でリハビリなんだ。入院中の子や通院中の子でマッサージしたり運動したり、犬用の車椅子の説明と練習もするし、俺は休憩で――って」
パタンとロッカーを閉めた飛駒が首を傾げた。
「なんか、凹んでる?」