幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!

「別に、その、葵くんはお兄ちゃんと来るから、一人で来たのがいつもと違うから、かな」

怪しい身振り手振りしつつ説明したが、飛駒は首を傾げたままの姿で私をじっと見てくる。

「……本当だよ」

掠れた情けない声で言うと、飛駒はにやっと笑った。
「今、向こうの入院している子たちに看護士が一人付いてるのと受付に一人、あとは全員二階にいるんだよね」
「へ、へえ……」

「だから、俺しかいないから、甘えていいよ」

近づいてきた飛駒は私の腕を掴むと、新しい白衣の中に包み込みながら抱き締めてくれた。

「新しい白衣で良かった。遠慮なく美結を抱き締められる」

「……汚い白衣でも遠慮しないでしょ」

クスクスと笑ったけれど、私もぎゅっと飛駒の服を掴んだ。

「汚くても、飛駒の白衣なら私も平気だよ」
 ぷぷっと照れながら笑ったのに、飛駒は更に強く抱きしめてくれた。

「あー……此処が自分の家じゃなくて良かった。隣に大事な患者が俺を監視してくれてて良かった」

「何を言ってるの」

「俺だって男だからね。傷ついてる美結を抱き締めて……まあそれから先の事は隣の子猫たちに聞かせられないけど」

「馬鹿」
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