幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
夕日が沈もうとしていた。
早く帰って皆でご飯食べよう。
昨日作った飛駒のカレーは少し残ったので、タッパに入れて冷蔵庫に移していた。
葵くんが明日も食べたいから、と自分で移して仕舞った。
その時の笑顔が、真っ赤に染まる夕日にリンクする。
「お兄ちゃんっ」
葵くんの発信機を辿ると、病院の鼻と目の先にある公園の中だった。
自然が多く、貯め池の周りにぐるりとジョギングコースが張り巡らされ、休憩場所にベンチがぽつんぽつんとある。その一番奥に、木でできたアスレチックが少しある。
けれど今は開放時期ではないらしく伸び切った雑草があちらこちらから顔を出している。
その中を兄は、迷うことなくアスレチックの方へ向かっていた。
「お兄ちゃん、葵くんを怒らないでね、不安なの。不安だから」
「分かってる!」
苛立った兄の声に、一瞬ひるんだが全力で追いかける。
「入院して子猫を産んだ母猫と、瞳さんと自分の状況が似てるから不安だったと思うの。母猫と子猫が引き離されたら、自分達も離れちゃうんじゃないかって、きっと不安だったんだと」