幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!




病院に帰ると、丁度リハビリが終わり、一斉に飼い主さんとペットが二階から降りて来るところだった。
私を抱き抱えている飛駒を見て、表情を変えている飼い主さん達が居たのに、飛駒は気にせず中へ入って行った。

中では、夜勤に入ってくれたり手伝ってくれているもう一人の獣医と、聞きつけた藤森さん、そして受付の女性と看護士さんたちに葵くんとお兄ちゃんが深々と頭を下げて謝罪していた。

「子猫たちの方は健康に問題が無かったから良かったけど、気を付けてね」

藤森さんの優しい言葉に、葵くんも神妙な顔をして頷いていた。

「悪かったな、美結。色々お前にも負担させてしまって」

葵くんと手を繋いだお兄ちゃんが、申し訳なさそうに言う。
私は首を振ったが、お兄ちゃんの気は晴れないようだった。

「明日仕事を休むことにした。で、今日は無理言って瞳の病室に親子三人で寝るよ」
「お兄ちゃん、身体壊さないようにね」

「壊さねえよ。あとは俺たちの問題だから、な」

ポンポンと頭を撫でられて、見上げる。
お兄ちゃんも飛駒も首をぐっと伸ばさなくては見えないほど背が高い。
でもそれが私は嫌ではなかった。

「本当、ありがとう。俺は瞳と葵とお腹の女の子を守るため忙しいけど、お前の為なら世界中どこに居ても助けてやるからな」

「お兄ちゃん……」

「今日は二人であの家に帰るだろうが、あの家はあくまで俺のマンションだから変なことすんなよ」

「し、しないし! ば、馬鹿じゃないの」

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