幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
白衣をくいくい引っ張ると、うわっと小さく声を漏らし慌てて脱ぎだす。
「やべえ。これは他のセンセイや藤森には」
「勿論言いつけるよ」
「まじで勘弁してよ。藤森が持って帰った時、俺滅茶苦茶説教したんだし」
「じゃあ藤森さんから説教されなよ」
さっきまでの威勢はどこへやら。
急いで私に謝って機嫌を伺う調子のいい飛駒にため息が出る。
「え、えっとお、胸やけする前に退散するわ……」
「わー、七村先生、ごめんね。そんなわけで」
そそくさと駅の方へ歩き出す七村先生は、悔しそうに笑っていた。
「もっちろん。結婚する人を合コンには誘いませんよーっ」
私も彼氏ゲットしてくるね!っと大声で叫びながら駅へ向かう七村先生。
どうか、園長や保護者に気付かれませんように、と祈るしかなかった。
「ふうん、合コンねえ」
「い、行かないってば」
「行かせるわけないじゃん。俺、超嫉妬深いし?」
薄々そうだろうなって思ったよ。葵くんとお昼寝していたら真ん中に割って入るぐらい、心が狭いってこともね。
「その子猫、園長先生に渡しに来たの?」
「そー。健康も良好。柔らかいご飯も食べだしたからもう大丈夫だよ」