幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
「みゆおねえちゃんはつかれてたんだよ。おきれないときってあるよね」
しかも、子どもにフォローされてしまう始末。
「ご、ごめんね。ご飯何を――」
「あ、俺が作っておいたから」
ふわっと卵の良い香りと共に、香ばしいバターがパンの上を滑っていく。
パンにバターを塗り、スクランブルエッグにハートでケチャップを描き、葵くんの首にエプロンをぶら下げてから、飛駒は私を見た。
「とりあえず、寝ぐせ直して席付きな」
「え、ええー」
「みゆおねえちゃん、はやくー」
葵くんに急かされて、爆発した髪を前に鏡の前で放心状態だった。
信じられない。……どこからが夢?
なんで当たり前のように飛駒が私の隣にいるんだろう。
鏡を触っても、呆然としている私には届かない。
その間にもどんどん飛駒との距離が近づいてきて、恐怖心を感じた。
「おせーぞ、早く座れ」
「みてー、かにさんのウインナー」
はしゃぐ葵くんの隣に座っている飛駒の顔が、パンに染みていったバターのように蕩けている。
府に落ちないまま席に座ると、葵くんの合図でいただきますと食べ始めた。
「いやー、昨日あれから破水した猫が急患で来てさ、朝方まで処置大変だった」