幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!


スーパーに到着して車から降りればすぐに鞄を奪われた。
なぜか飛駒がカートを押して、一歩私の後を追う感じで着いてくる。

「えー、野菜多くない?」
「お、こっち。このチーズってワインに合うんだよね」
「今日は、ステーキにする?」

子どもか。いや、子ども以上に邪魔だ。なんでそんなに横で色々五月蠅いの。
メニューを考えながら歩きたいのに落ちつかないし。

それになんだか飛駒の容姿の良さのせいで注目されている気がする。

「……悪いけどちょっと離れてて」
「え―。嫌だいやだ」

「じゃあ葵くんのお弁当ようのふりかけと海苔選んできて」

私の横から追い出すと、不満げではあるが選びに行ってくれた。

このスーパーは広いし、二階に雑貨屋や本屋もあるしで人も多い。
加えて仕事場から近いので人目は避けたい。
さっさと選んで帰らなくちゃ。

急いでカートの中に、食材をポンポン入れていたらくいくいとスカートを引っ張られた。

「?」

振り返っても誰もおらず、視線を床の方へ落とすと、小さな男の子がお菓子を持って私を見ていた。

その子は私と目が合った瞬間、クシャクシャに顔を歪ませて泣きだしそうになった。

「え、ええ? どうしたの? あ、ママと間違えた?」

葵くんより年下で、やっと歩けるようになったぐらいの子供だった。

迷子だ。
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