幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
藤森さんのペースに流され、おろおろしていると彼はじっと私を見た。
「ああ、ごめん。座って座って」
「あ、はい」
なんとなくだけどベッドから一番遠くに会ったパイプ椅子に座ると、吹きだされた。
「既婚者だってば。しかもさっきまで犬の手術しててへろへろだから」
「すいません、そんなつもりではなくて」
変に遠慮してしまったせいか藤森さんは爆笑しつつも、ベッドの向こうのドアを指差した。
「向こうに子猫ちゃんたちいるよ。手術して麻酔でぐったりしてるゴールデンレトリバーもいるから静かに見るだけなら見ていいよ」
「わ、ありがとうございます!」
そろそろと中へ進むと、薬品の匂いがする部屋に入る。壁の入院ケージにはモルモットから犬まで数匹入っている。点滴を打ったまま眠っているゴールデンレトリバーは診察台の上だった。
こっそり見た子猫たちは全部で三匹。白に黒の模様が牛みたいで可愛らしく、私の片手に乗るぐらいのまだ小さな赤ちゃんだった。
「お、もういいの?」
ハムスターのように頬を大きく膨らませた藤森さんが、帰ってきた私を見て首を傾げてる。
「はい。なんか長居しちゃ申し訳なくて」
手術でぐったりしてる子が数匹いたので、はしゃぐのが躊躇われた。
「いいねえ、美結ちゃんは。長居している患者の付き添い達にも爪の垢を飲ませてやりたいぐらいだよ」