幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
外の声は聞こえないけれど、閉めたドアにはカーテンがあったのでカーテンからちょっとだけ外を覗いてみた。
するとソファに座っている患者は全然減っていなかった。
「今日の午後が空いてるって誰かに気付かれたのかな。飛駒目当てで、健康診断だの、数時間預かってほしいだの、人間の恋煩いに付き合わされてペットたちのストレスにならないかこっちは心配だってのに」
「……じゃあ今居る人たちって飛駒を狙ってるんですか?」
びっくりして外と藤森さんを交互に見てしまうが、藤森さんは抵抗なく頷く。
「うん。此処、オープンするとき飛駒は働いてたとこから患者さん根こそぎ連れてきちゃうし。ここ知り合いのデザイナーに作ってもらったんだけど、雑誌で紹介したいって言われてさ。ついでに飛駒のインタビューも載って、それから拡散された感じかな」
「雑誌! 知らなかった」
「今度見せてあげるよ」
ニヤニヤと笑う藤森さんは、とても楽しそうだった。私が知らないと言うことは飛駒は見せたくない代物なのだろう。それなのに嬉々として見せてくれると言われたら、藤森さんはからかって遊びたいだけなのだと理解できる。