幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
「べ、別に。それに飛駒なら、貴方よりいっぱい知ってるし!」
「俺は大人の飛駒を八年ほど見てきたけど」
なんで私と張り合ってくるの。
わざと挑発して、自分の思い通りに動かそうとしてる。
雰囲気から掴みにくそうな人だと思ったけど、何か企んでそうで警戒は怠らない方がいいようだった。
「今の飛駒を見たら、そんな頑なに意固地になった心も和らぐんじゃないかなって思っただけだよ。警戒しないでよ」
ごちそうさま、とお腹を擦りながら藤森さんは私に美味しかったと感想を言うと、枕元に置いてあった髭剃りを掴んで反対の奥へ消えていく。
残された私は、別に藤森さんの言葉を真に受けたわけじゃないけど、診察室の方へ足が動いていた。
入院しているペットたちの向こう側で、飛駒は私に見せたことのない様な余所行きの笑顔でで診察しているのが見えた。
口はマスクして、手にもビニール手袋して、診察台にはぐったりしたビーグル犬が横たわっている。
「うーん。妊娠だね。相手は分からないの?」