幼馴染と溺愛!?疑似結婚生活!
「はい。首輪が外れて脱走してたことがあるんですがそれ以外は室内で飼ってまして」
「うーん」
エコー写真とお腹を触りながら、飛駒は数秒黙った後、カルテを取り出す。
「メーデルちゃんは、ちょっと身体が小さいし8歳ですから出産リスクが高くなるんです。帝王切開の説明を向こうで受けていただけますか」
メーデルちゃんの飼い主は、飛駒や私の親ぐらいの年齢の上品そうな女性だったけれど、帝王切開とききうろたえる。
「大丈夫ですよ。もう一度検査してみます。父親が大型犬だった場合、自然分娩は赤ちゃんにもメーデルちゃんにも危険な場合があるんです」
感情を抑えるような表情のない言葉だったが、不安がる飼い主さんにフッと微笑んだ。
「大丈夫ですよ。俺、未熟児で生まれてきて、――甥っ子も未熟児で。でも今こうして生きてるのは医者が頑張ってくれて、母親が頑張ってくれたからです。俺もメーデルちゃんも、頑張りますよ。絶対に大丈夫ですから、安心して下さい」