絶望の空の色
ふたりの式の日は晴天で、ガーデンで行われたフラワーシャワーが良く映えた。
青い空はふたりを祝福しているようだし、きっと写真映えも良いだろう。
和やかに、滞りなく式は進行していく。
事細かに決めていった事項がパズルのピースを嵌めていくように実現していくのは気持ちが良い。
途中、来賓のお子さまがジュースをこぼすというアクシデントがあったけれど、それくらいは良くあることで、十分に許容範囲だ。
手慣れたスタッフがあやし、片付け、主役ふたりも安堵の表情を向けている。
ひとたびバックヤードに行けば現場はバタバタとしているけれど、それはみんながこのお式に心血を注いでくれているからだ。
表舞台にたつ華やかに見えるスタッフたちも、バックヤードにいるスタッフも、全てのスタッフが絡んでようやくひとつの式が出来上がっていく。
全て滞りなくお開きになった頃、ようやく私たちスタッフは深呼吸できるのだ。
ガーデンで風に当たりながら少しブレイクタイムを取っていると、タキシードから着替えた恭平くんがそこに立っていた。
あの別れから2年。
式の打ち合わせで何度も会話をしてきたけれど、ふたりきりで会話をするのは初めてだ。
私は顔をあげて、スタッフの顔を作る。
「日野さま、本日はおめでとうございました」
「ありがとう。良い式になったし……。お前が誇りをもってしてる仕事を知れてよかった」
その言葉で私のスタッフとしての顔が少し剥がれる。
プロ失格、なのかもしれないけれど、こればかりは仕方がないと多目に見てほしい。
「別れたことが無駄にならなくて良かった」
私はその言葉に苦笑を返した。
それができるくらいには時間が流れていた。