小倉ひとつ。
「立花さん」
「はい」
「危ないですから、どうぞ」
「っ」
このひとは。瀧川さんは。なんでそんなかっこいいことするの。
階段の手前で、すっとお隣から手を差し出されて思わず息をのんだ。
優しい微笑みに、こちらも曖昧な微笑みを返す。
ええと、あれか、手だよね。どうぞってお手をどうぞというか、掴まってくださいということだよね。
「ありがとうございます……」
おそるおそるのせた左手が熱い。というか顔も熱い。
いえ、と微笑んだ瀧川さんは、私より一歩先に階段を降りた。
……すごい。おそろしく様になっている。
こんな低い階段でも手すりがないからってさらっと手を差し出すあたり、瀧川さんがかっこよすぎてつらい。
いやあの、私がエスコートなんて普段されなさすぎて耐性がないからかもしれないけれど、でもかっこいい。あまりに私の好きなことをしてくれる。
ああもうかっこいいなあ、と何度目か分からないことを繰り返した。
「はい」
「危ないですから、どうぞ」
「っ」
このひとは。瀧川さんは。なんでそんなかっこいいことするの。
階段の手前で、すっとお隣から手を差し出されて思わず息をのんだ。
優しい微笑みに、こちらも曖昧な微笑みを返す。
ええと、あれか、手だよね。どうぞってお手をどうぞというか、掴まってくださいということだよね。
「ありがとうございます……」
おそるおそるのせた左手が熱い。というか顔も熱い。
いえ、と微笑んだ瀧川さんは、私より一歩先に階段を降りた。
……すごい。おそろしく様になっている。
こんな低い階段でも手すりがないからってさらっと手を差し出すあたり、瀧川さんがかっこよすぎてつらい。
いやあの、私がエスコートなんて普段されなさすぎて耐性がないからかもしれないけれど、でもかっこいい。あまりに私の好きなことをしてくれる。
ああもうかっこいいなあ、と何度目か分からないことを繰り返した。