PromiseRing
ふれた唇で、赤くなって黙ってしまった私にニヤリと笑うと、多賀谷社長は車を出した。

放心状態で車を見送り、完全に突き刺さってる視線で、我に返る。

……一体、なにがしたいんだろう、あの人は。

 
一日中、ちくちくどころかぐさぐさ突き刺さる視線に耐え、終業時間。

病み上がりだし、さっさと帰ろうかと思いつつも……今朝の、あれが。

……迎えにこられても困る。
そうだ、残業しよう!

いいアイディアだ、そう思ったのも束の間。

「浅井くん。
残業、かい?」

「はい、昨日早退してしまったので、その分」

にこにこと話しかけてきた課長に、笑顔で返す。
残業すればきっと、多賀谷社長に会わなくてすむし。

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